皆様におかれましては、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。平素より、救急医療の最前線で人々の命を守る皆様の献身的なご活動に、心より敬意を表します。

本大会は、国の重要文化財であり、大阪の文化と歴史の象徴である「大阪中央公会堂」にて開催する運びとなりました。大正時代に一人の市民の私財寄付によって建設されたこの壮麗な建築は、人々の「公(おおやけ)」への無私の奉仕と連帯の精神を今に伝えています。それはまさに、昼夜を問わず人々の命と健康を守るために最前線で尽力する我々救急救命士の使命感と深く重なるものであり、この歴史ある地で皆様をお迎えできることを大変嬉しく、また誇りに思います。

さて、本フォーラムは、菊池悠 大会長のもと「連携」の重要性を再確認した神戸での第4回大会、そして福島圭介 大会長のもと原点に立ち返り『Back to Basics ~救急救命士の真価~』を深く問い直した小田原での第5回大会を経てまいりました。過去の大会で築かれた強固な礎と「真価」の再定義を引き継ぎ、第6回となる本大会では、メインテーマを『救急救命士の可能性』といたしました。

近年、我々を取り巻く環境は大きく変化しています。法改正により職域が医療機関まで拡大されたのをはじめ、民間救急、プレアンビュランスケア(救急隊到着前の救護活動)の社会実装に加え、消防や自衛隊、海上保安庁といった最前線のフィールド、さらには大学や専門学校における次世代の教育指導に至るまで、社会に貢献できる領域はかつてないほどの広がりを見せています。

一方で、救急出動件数の記録的な増加や医療体制の逼迫など、社会課題は一層複雑化しており、我々に向けられる期待は日増しに高まっています。今こそ我々は、自身の真価を基盤とし、社会に対する新たな「可能性」を力強く提示しなければなりません。

その実現に不可欠なのが、全国救急ネットワークの活動理念である『地域・職域・世代の垣根を越えて』という精神です。地域ごとのメディカルコントロールの壁を越えた全国規模での知見の共有。消防、病院、民間、自衛隊・海上保安庁、そして教育機関といった職域の違いを超えた協働。そして、熟練の技術と次代を担う若い世代との間での知の継承。これらの垣根を取り払って連携したとき、救急救命士という職能は真の成熟を迎え、社会のあらゆる場面でその「可能性」を最大限に開花させることができると確信しております。

結びになりますが、本フォーラムが皆様にとって実り多き学びと交流の場となることを祈念するとともに、時節柄、皆様の益々のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。大会当日、皆様にお会いできることを心より楽しみにしております。

第6回救急救命士フォーラム
大会長 三木 大輔
大阪市消防局/大阪EMS研究会